全国の美容室は27万軒、理容室は10万軒を超える。その大半は店主が一人で切り盛りする個人店だが、なかには全国に数百から千以上の店舗を構える巨大チェーンも存在する。
では、もっとも店舗数が多い理美容チェーンはどこなのか。各社が公式に発表している国内の店舗数をもとに、ランキングをまとめた。
店舗数トップは「Agu.」、上位を低価格・時短チェーンが占める
各社の公式発表によると、店舗数の最大手は美容室「Agu. hair(アグ ヘアサロン)」で、全国に1,100店を超える。次いで理美容室のIWASAKIが約950店、プラージュが615店と続く。
顔ぶれを見ると、上位の多くが「低価格」「時短」を売りにした業態だ。10分カットのQBハウス(国内約580店)、低価格のcut-A(420店)、サンキューカット(259店)、イレブンカット(180店)など、短時間・低価格で回転させるモデルが、店舗数では大きな存在感を持つ。
なお店舗数は各社の公式発表に基づく2024〜2025年時点の国内店舗数で、直営・フランチャイズ・休止店の扱いは各社で異なり、時点によって変動する。
なぜ低価格・時短チェーンは店舗数で強いのか
理由ははっきりしている。1人の客にかける時間が短く、設備や人員もシンプルにできるため、1店舗あたりの投資と運営コストを抑えやすい。狭いスペースでも開業でき、駅ナカや商業施設にも入りやすい。結果として、同じ資本でより多くの店を出せる。
Agu. は「高品質・低価格」を掲げる美容室チェーンで、年に100店以上を新規出店するハイペースで店舗網を広げてきた。プラージュを展開する阪南理美容は「理美容業界 年商日本一」をうたう。スピードと価格で全国をカバーする戦略が、そのまま店舗数の上位に直結している。
「理容系」と「美容系」で顔ぶれが分かれる
上位チェーンをよく見ると、得意とする業態で色分けできる。
カットと顔そり中心の理容、あるいは1,000円カットのような時短サービスを軸にするのが、QBハウスやサンキューカット、cut-Aといった顔ぶれだ。男性客や、手早く整えたい層をしっかりつかんでいる。
一方、カラーやパーマ、トレンドのスタイル提案を強みにするのが、Agu.やAUBE HAIR、EARTHといった美容室系のチェーンだ。カットとカラーに特化したチョキペタ(71店)のように、特定のニーズに絞って伸びるチェーンもある。理容と美容の違いそのものは、理容室と美容室の違いでも詳しく見ている。
それでもチェーンは「ごく一部」、主役は個人店
ここで押さえておきたいのは、こうした大手チェーンを合計しても、日本の理美容店全体のごく一部にすぎないということだ。
厚生労働省「衛生行政報告例」によると、全国の美容所は27万7,752施設、理容所は10万7,995施設(2024年度末)。一方、チェーン店は大手を足し合わせても数千店規模にとどまる。つまり、日本の理美容業界は今も、地域に根ざした無数の個人店によって支えられている。
その個人店の多くは、過去最多のペースで進む倒産の波にもさらされている(参考:美容室の倒産が過去最多|店が増え続けるのになぜ潰れる?【2025年】)。チェーンの拡大と個人店の淘汰は、同じコインの裏表でもある。
チェーンと個人店、どう選ぶ
利用する側から見ると、チェーンと個人店にはそれぞれの良さがある。
チェーンは料金が分かりやすく、どの店舗でも一定の品質が期待できる安心感がある。出張先や引っ越し先でも同じ系列を選べるのも強みだ。一方の個人店は、担当者がずっと変わらず、好みや髪質を覚えてもらえる細やかさが魅力になる。
どちらが優れているという話ではなく、求めるものによって使い分けるのが賢い選び方だろう。
まとめ
- 店舗数トップは美容室「Agu.」で全国1,100店超。IWASAKI(約950店)、プラージュ(615店)が続く。
- 上位はQBハウス・cut-A・サンキューカット・イレブンカットなど、低価格・時短業態が目立つ。
- 顔ぶれは理容・時短系と美容・スタイル提案系に大きく分かれる。
- 短時間・低コストで多店舗展開しやすいことが、店舗数の多さにつながっている。
- ただし大手チェーンを合計しても全体のごく一部。日本の理美容店の主役は今も個人店。
チョキナビGO!では、チェーン店の一覧はもちろん、地域の個人店まで含めて検索できます。お近くのお店はエリア別の店舗一覧から探してみてください。
(出典:各社公式サイト〈Agu. hair/ヘアサロンIWASAKI・ハクブン/プラージュ・阪南理美容/QBハウス・キュービーネット/cut-A・カットツイン/AUBE HAIR/サンキューカット/Hair&Make EARTH/11cut/チョキペタ〉、厚生労働省「衛生行政報告例」令和6年度)